日記

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2025年3月7日

土屋賢二なる御仁について、ちょっと書きたく存じまする。かの御仁は、昭和十九年の御生まれ、哲学を専らとし、お茶の水女子大学にて教鞭を執られておったとか。長らく「週刊文春」なる読み物に、筆を揮っておられ、その随筆は後に文庫となり、今や二十数冊に...
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2025年3月6日

拙者が初めて花粉なるものに悩まされ申したのは、二十代の初め、かれこれ五十年以上の付き合いとなり申すな。ある秋の佳き日、天気も良うて、山道を歩いておった。やぶをかき分けて進んでおるうちに、突如としてくしゃみが止まらぬようになり申した。道連れの...
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2025年3月5日

本日は「啓蟄(けいちつ)」と申す日とのこと。虫けらどもが土の下より這い出でる折、と申すそうな。なるほど、言われてみれば合点のゆくこともござる。去る土曜、空に雪虫のようなものが飛んでおるのを見かけ申した。昨日は家の中にて、蜘蛛一匹、ひょっこり...
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2025年3月4日

雪になるとは、昨夜の予報には申しておらなんだが、今朝目覚めてみれば、庭先に一寸ばかりの雪が積もっておった。されど日が高くなるにつれ、昼にはすっかり解けてしまい申した。本日は雪かきの手間もなく、ひさしぶりに家の近所をぶらりと散策いたし候。少々...
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2025年3月3日

昨日あたりより、どうにも花粉とやらが飛び始めた気配がいたしまする。目が、ほんのりと違和感を訴えておる。昨年の秋は、例年にも増して症状がひどく、これまで用いておった市販の目薬も、どうにも効かず、やむを得ず医者の門を叩き申した。処方された目薬は...
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2025年3月2日

少し前のことにござる。歩道に除雪が入り、久方ぶりに道が開けたゆえ、「これは良き機会」と、早足にて歩き出したのじゃ。されど、喜び勇んでおったのが災いしたか、歩道の一部が盛り上がっておるのに気づかず、足を引っかけて転んでしまい申した。これがまた...
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2025年3月1日

弥生三月に入り申した。睦月・如月と雪に悩まされ続けたが、これから先は、仮に降る日があろうとも、さすがに大雪が長く続くことはあるまい――と、淡き期待を抱いておるところにござる。さて、今日は「忘れ物」について、ひと筆記しておきたく候。このところ...
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2025年2月28日

本日は朝より好天に恵まれ、久方ぶりに気温十度に達し申した。春の兆し、ようやく肌に感じられる一日にて候。さて、先日、新幹線なる早馬に乗る機会がござった。隣席には異国の御仁が座しており、しばらくしてから車内販売にて日本酒を買い求め、嬉しげに飲み...
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2025年2月27日

先日、バスに乗ろうとした折のこと。拙者の前に並んでおった御仁が、入口の段差に足を取られ、つまずいて倒れ込み申した。「これは痛かろうな……」と胸中に思い、「大丈夫でござるか」と声をかけたのじゃが――これは愚問にてござった。「大丈夫か」と問われ...