読書

日記

2025年5月17日 土曜日

近ごろ読んだ時代小説のなかに、なかなか面白きものがござってな――「物書同心 居眠り紋蔵」と申すシリーズにて、筆を執ったは佐藤雅美(さとう・まさよし)殿。なんでも、直木賞を受けた腕利きの作家とか。この紋蔵どの、南町奉行所の「例繰方(れいくりか...
日記

2025年1月15日

『椿井文書 ― 日本最大級の偽文書』と申す書を読み申した。馬部隆弘殿の著にて、中公新書より出でたるものにござる。椿井文書とは、江戸の末期に生きた国学者、椿井政隆という者が記した文書のことにて候。これがなんと偽文書であったとは驚き入り申した。...
日記

2024年12月16日

『お経の話』なる書を拝読仕り候。渡辺照宏殿の著にて、岩波新書のものに御座る。拙者これを手に入れしは四十余年前のこと、いかなる思いにて、かかる堅き仏教入門の書を求めしや、もはや覚えおらず候。拙者、折々に書を処分致すことありといえども、この一冊...
日記

2024年12月4日

このたび「吾妻鏡 ― 鎌倉幕府『正史』の虚実」と申す書を拝読仕り候。藪本勝治殿の著にて、中公新書より世に出されしものにござる。源頼朝公の挙兵にはじまり、平家追討、奥州合戦、さらには比企氏の乱、和田合戦、実朝公暗殺、承久の乱、宝治合戦に至るま...
日記

2024年12月2日

このたび、「史実を歩く」という書を拝読仕り候。吉村昭先生の筆になるもので、文春新書より平成十年の刊行にて候。世に小説を書かんとする者、まずは資料に当たり、土地を踏み、人の話を聞くということは、いわば当然の務めにござろう。されど、この吉村先生...
日記

2024年12月1日

このたび、「かたき討ち ― 復讐の作法」と申す書を拝読仕った。氏家幹人殿の筆によるもので、中公新書より出ておる。敵討ちにまつわる様々な実例、ならびに当時の見聞者による所見など、誠に興味深き内容にてあった。ひと口に「かたき討ち」と申しても、実...
日記

2024年11月28日

書棚より、かつて読みし「フロスト警部」を取り出し、また手に取り候。作者はR・D・ウィングフィールド、訳は芹澤恵殿、東京創元社の名作にてござる。この物語、英吉利(イギリス)の警察を舞台とし、主人公のフロスト警部は、まことに型破り。いや、型など...
日記

2024年11月26日

『現代語訳 福翁自伝』を読申した。齋藤孝殿による編訳、ちくま新書の一冊にて候。若き折、ある御仁の家にて本棚を眺めておったところ、福澤諭吉の全集なるものが整然と並んでおるのを見て、「これほど大量の文を、ひとりの人間が生涯に書き上げたとは…」と...
日記

2024年11月18日

「吾輩は天皇なり――熊沢天皇事件」と題する書を読み申した。著者は藤巻一保殿、学研新書より出されし一冊にて候。天皇を名乗った人物がいた――そのことは、この書を手に取る以前より、なんとなく承知しておった。巻末の参考文献を眺むれば、拙者が若かりし...