今週は、気温が二十五度を超える日もあるとのことで――
そろそろ頃合いかと、涼風の仕掛け、すなわち「室外機」とやらの覆いを外し、軽く試しに動かしてみ申した。
思えばこの冬は、例年にない大雪に見舞われ、かの室外機なる物体が雪の下にすっかり埋もれ、拙者、自ら二度までも掘り出す羽目になったものでござる。いやはや、老骨にはこたえ申したが、今となってはそれもまた一興の思い出にて候。
さて、狭き庭ではあるが、ツツジの花が見事に咲き揃い、まことに華やか。
また、ブルーベリーなる西洋の果(このみ)の花も、ちらほらとほころび始め、初夏の気配を運んでおりまする。
今日は、京ぶき――これまた香り高き春の恵み――を摘み取りましてな、今宵の膳が楽しみでござる。
久方ぶりに、空も晴れわたり、まことに清々しき一日でござった。
かような日には、ただ庭を眺めて茶をすするもまた、隠居の冥利にて候。
2025年5月12日ーこのページー2025年5月14日