2025年5月21日 水曜日 小満

日記

拙者(せっしゃ)もこの齢となりては、いずこかへ出向いたとて、土産物のたぐいを買い求めることも少のうなり申した。
というのも、親父殿が亡くなりし折、遺品をあれこれと始末いたした折に思い知ったことでござるが――
いかに本人にとっては思い出深き品なりとて、いざ残されし者にとっては、往々にして持て余すばかりのものでござる。

さればこの頃は、土産を選ぶにも、形の残る品は避け、早々に腹に納まり申すもの、すなわち食い物に限ることといたしておる。
菓子であるとか、漬け物であるとか、さようなものにてな。

さて、「小満(しょうまん)」と申す節気――立春や啓蟄のようには、あまり耳馴染みのない言葉にて候えども、
暑さも次第に増し、日も長うなりゆく頃合いとのこと。
平たく申せば、初夏といった趣でござろうか。

今日は西国のほうでは真夏日となりし所もあった由なるが、
このあたりはというと、雨が降ったり止んだりの、何やら肌寒き一日であった。


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