雇用保険に加入させてくれない

労働問題

雇用保険の加入条件

雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ、31日以上の雇用見込がある場合は、加入することができます。

条件を満たしていれば、会社の意思や本人の意思に関係なく(入りたくなくても)雇用保険の被保険者になって雇用保険料が給料から天引きされます。

「所定労働時間」とは、契約した労働時間です。例えば、週5日勤務で1日4時間と契約すれば該当します。

ところが、契約上は3時間にして、毎日1時間以上残業があるというケースをみたことがあります。加入逃れかもしれません。

「31日以上雇用される見込み」とは、

文字通りなのですが、分かりにくい場合もあります。

まず「以上」ですから、30日なら加入させなくてもよいのですが、31日であれば加入義務が生じます。

雇用契約書には雇用期間20日間と書いてあっても、その契約書に「更新する場合がある」とあれば、明確に20日で終わるとは読めないので、これは31日以上に該当します。

雇用契約書には雇用期間20日間と書いてあって、さらに「更新する場合がある」とは書いていない。こういう契約書でずるずると延長する場合があります。

加入逃れをしている会社だと思われます。

なお、勤務した事業所が農林水産の事業であって、常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の事業であれば、その事業に加入義務がないので、上記の件は適用されません。

また、学生は原則として雇用保険に加入できないことになっています。

加入できるはずなのに加入させてくれない場合

長年そうしてきた会社に正攻法で攻めても現実には一筋縄ではいかないでしょう。

だいたいそういう会社はハナから法律を軽視しています。しぶしぶ加入させてもらえたとしても、そののち、生意気な奴だと思われて嫌がらせさることもあります。

ですから、申し出るとしても、口をとがらせて権利だとか言わずに、失業給付がほしいからなどと言って、遠慮がちな顔で切り出してみましょう。風向きが悪かったら、すぐに引っ込めて、次の作戦を考えましょう。

次の作戦というのは、そういう会社は辞めてしまうか、ハローワークに申し出るかです。

在職中にハローワークに申し出ることもできますが、八つ当たりされるおそれがあります。跳ね返す自信がある人はやってみましょう。

消極的な方法ですが会社を退職した後に申し出ることもできます。

雇用保険の「雇用保険の被保険者となったこと(被保険者でなくなったこと)の確認請求書(聴取書)」を使います。

これ位の期間働いてきたが雇用保険に入れてもらえませんでした。何とかならないものでしょうか。と相談するのです。

給与明細書や給与が振り込まれた預金通帳を持って行けばよいでしょう。その他にも求められるかもしれませんが、入手できるものは揃えましょう。

確認の申し出は口頭でもよいことになっているのですが、実務的には書面を求められます。

用紙をくれるので書き方を聞きながら記入して提出します。在職中に控除されていない分の自己負担金はさかのぼって発生することは覚悟して下さい。

申し出が通れば、失業給付を受けることができます。

なお、この「確認請求」は在職中でもできます。というか、確認請求の時期には時効があるので在職者がやるように予定されているのかもしれません。闘争心旺盛な人は活用するとよいでしょう。

ということで、対抗する手はありますが、でたらめな会社はさっさと辞めることをお勧めします。

わずらわしいことに関わってもエネルギーの無駄です。エネルギーは次の仕事に向けましょう。


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