空模様は曇りがちなるも、さてさて、暑き一日となり申した。
気温は、ついに二十八度にまで上がり、夏の気配がじわじわと忍び寄ってまいり申す。
昼下がり、いつものように散歩に出ようと、風もあったゆえ、「これならば大丈夫であろう」と高を括り、いつも通りの装束にて歩み出したところ――たちまち、汗が吹き出し、肌はしっとりと濡れそぼり候。
無理をしては身を損なうと、そこは心得ておる隠居の身、早々に引き返し、茶を一服して息を整え申した。
どうやら、そろそろ散歩の刻限を、夕暮れ時に改めるべき頃合いと見え申す。
陽の力、侮るべからず――この歳になると殊更に、身に染みて感じ入るものでござるな。