マタハラされたらどう対応するか

労働問題

マタハラとは

マタハラはマタニティー・ハラスメントの略で、育児休業等、労働基準法の母性保護措置、男女雇用機会均等法の母性健康管理措置を受けようとしたことを理由とする上司や同僚などによる嫌がらせ、解雇や雇い止めされるなどの不当な扱いを意味する言葉です。

男女雇用機会均等法改正により、企業にはその防止措置を講じることが義務付けられています。

マタハラの例

妊娠前に、 「今年中に妊娠することはないだろうな」 「育児休業を取得するつもりか」 「入社してから3年は子どもを作ってほしくない」 こういったことはマタハラにあたります。

もちろん、採用面接でも同様です。女性の妊娠プラン、育児休暇の取得予定などを採用基準にすることはマタハラにあたります。

妊娠が分かってから、 「ウチでは育児休暇は無理だ。悪いが辞めてくれ」 「どれだけ周りに迷惑をかけるのかわかっていいるのか。」 「周りに迷惑をかけるのだから自分で考えてほしい」 などといい、制度を利用しづらい環境にし、退職を誘導することなどはマタハラです。

配偶者の出産に関連して休みをとる男性に対して「俺のときは、生まれた日にも仕事をしていた。それが男として当たり前だ」などと言うこともマタハラです。男性に向けられるものはパタハラ=パタニティーハラスメントということもあります。

会社は対策しなければならない

マタハラを防止するために、企業は ①方針の明確化と周知・啓発 ②相談体制の整備 ③事後の迅速かつ適切な対応 ④マタハラの原因・背景要因を解消するための措置 などを講じなければなりません。

加害者および会社の責任

加害者は、その行為の態様によって不法行為が成立して損害賠償の責任を負います。

さらに、行為の態様によっては暴行事件・傷害事件として刑事罰の対象となることもあります。

事業主がマタハラ防止対策を取っていない状態でマタハラが起こったときは会社が従業員の安全に配慮していないことなどに関する責任も追及することができます。また、事業主や上司が正当な理由なく訴えを放置したり、加害者をかばって事実をねじ曲げるような言動があれば、不法行為として損害賠償を求めることもできます。

妊娠・出産・育児等を理由とした解雇、雇止め、降格、不利益な配置転換、減給などは男女雇用機会均等法で禁止されています。これに違反した場合、処分の無効を求め、未払い賃金や慰謝料などの損害賠償を求めることもできます。

マタハラされたらどう対応するか

マタハラ・パタハラは男女雇用機会均等法や育児介護休業法などに違反する行為です。被害を受けたときは民事上の損害賠償請求をする権利があります。

マタハラについては、社内に相談窓口を設置することになっています。困りごとがあったらまずは社内の相談窓口に相談しましょう。

社内の相談窓口を利用しても改善されない場合は、労働基準監督署等に設置されている総合労働相談センタなどに相談しましょう。

悪質なケースは、弁護士に相談しましょう。マタハラにより解雇(退職に追い込まれた場合を含む)・雇い止め・降格などに至ったときは、裁判を起こせばほぼ勝つことができると言われています。

具体的な対応は、基本的な部分はセクハラへの対応と同じです。次の記事も参考にしてください。


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