日本酒の「甘口・辛口」ってどういうこと?

飲食物

日本酒の甘口辛口について先日詳しい人から解説してもらいました。ネットで確認したら正しい解説のようでした。近年はこういうことでもすぐに忘れてしまい勝ちなので、書いておきます。

私:よく日本酒で「これ辛口だね」とか「甘口だね」って言う人がいますけど、私はよく分からないんですよね。例えば、辛口って唐辛子みたいにヒリヒリ辛いわけじゃないですよね。

先輩:そうだね。日本酒の「甘口・辛口」は、主にお酒に含まれる「糖分の量」と「酸の量」のバランスで決まるんだよ。ボトル裏のラベルを見ると、「日本酒度」と「酸度」っていう数値が書いてあるのを見たことない?

私:プラスとかマイナスとか書いてあるやつですよね。あれが関係してるんですか?

先輩:そうそう。「日本酒度(にほんしゅど)」とは、日本酒に含まれる糖分の多さを水と比較した比重の数値なんだよね。

マイナスが大きいほど糖分が多くて「甘口」、プラスが大きいほど糖分が少なくて「辛口」になる。さらにそこに「酸度」が加わって、酸度が高いと味がキリッと引き締まるから、より辛口に感じやすくなるんだ。

私:なるほど……。それで、日本酒を飲み慣れている人なら、一口飲んだ瞬間に「これは日本酒度プラス3の辛口だ!」とか即座に判定できるものなんですか?

先輩:いや、それはどうかな、かなり難しいんだよ。

私:そうなんですか?

先輩:味覚は脳が判断するからね、例えばフルーティーな香りがすると、脳が「あ、甘い果物だ」と錯覚して、数値は辛口なのに「甘口だ」と感じることがあるんだ。逆に、甘口のお酒でも酸味が効いていると「キレの良い辛口だ」と感じたりね。

だから飲み慣れている人も、数値を当てているわけじゃなくて、「口の中に甘みが残らずスッと消えるな(辛口)」とか「お米のコクや余韻がふわっと残るな(甘口)」っていう体感的な味覚を話しているんだよ。

私:奥が深いですね……。ところで、純米酒の方が糖分が多く残っていると言えますよね。つまり、「純米酒=甘口」と考えていいんでしょうか?

先輩:確かにその通りだが、「純米酒だから絶対に甘口」とは言い切れないんだ。

私:どうしてですか?

先輩:お酒を造るとき、酵母という微生物にお米の糖分を食べさせてアルコールを作ってもらうんだけど、この酵母に糖分を限界まで食べ尽くさせた場合は、お酒の中に糖分がほとんど残らないから、「辛口の純米酒」になるんだ。

私:なるほど! 糖分を多く食べるほど糖分が減るから辛口になるんですね。……ということは、「辛口の純米酒=アルコール度数が高い」ってことになりませんか?

先輩:その通り、実際、絞りたての「原酒」の段階では、甘口の純米酒が13〜15度くらいなのに対して、限界まで発酵させた辛口の純米酒は18〜20度近くと、かなりアルコール度数が高くなるんだ。

私:でも、お店で見る日本酒って、辛口も甘口もだいたい「15度前後」じゃないですか?

先輩:そこが酒造りの面白いところでね。20度近い超辛口のままだと、強すぎて喉がカッと熱くなるようなお酒になっちゃう。だから多くの酒蔵では、絞った後に絶妙な量の「お水(仕込み水)」を加えて、誰もが飲みやすい15度前後に調整(割水)しているんだよ。

お水で度数を下げても、「糖分が極限まで減っている」という事実は変わらないから、味わいはしっかり辛口のままキープされる、という仕組みなんだ。

私:なるほど、私は甘口というのは実際に甘い感じがする酒と思っていたけど、飲んだときの印象だけで言っては恥をかきますね。今度からラベルをしっかり読まなくては。

先輩:うんちくを言っておいてなんだが、美味しく飲めればそれで良いんだけどね。数値は、お酒を買う時の目安程度で良いと思うよ。