昨日のこと、拙宅の冷蔵庫にて、氷が出来ぬという騒ぎあり。家人いわく、「氷が一向に増えぬ」とのこと。なるほど、貯氷箱は空に近く、製氷皿も乾いたままにて候。
取扱説明書を引っ張り出して読んでみたが、どうにも要領を得ず。そこで、時勢に倣い、メーカーのウエブサイトを拝見いたした。これが存外に詳しく、さらに動画にて仕組みを解説しており、拙者のような年寄りにも理解しやすく、感心いたした。
さて、製氷の仕掛けと申すもの、水タンクの水が、ポンプの力をもって製氷皿に送られ、やがて凍りて氷となり、“ガラガラ”と音を立てて貯氷箱に落ちる――かような次第にて候。
しかし、今回は水タンクの水が一向に減らぬ。すなわち、水が送られておらぬということ。取扱説明書には「これはポンプの故障なり」とあり、さらに、この場合は素人には手に負えぬゆえ販売店に連絡すべしとなっている。
拙宅の冷蔵庫は長期保証に入っておるので、修理となっても懐を痛めることはなかろうが、如何せんこの暑さ、修理人に「修理のため電源を切りまする」などと言われれば、中の冷凍食品が危うい。まこと悩ましい話でござる。
しかるに、家人が思い出したるは、「水タンクに水を入れすぎて、少々こぼした」とのこと。もしやポンプの故障ではなく、何かが凍りついて不調をきたしているのではないか――と思い至り、再度庫内を点検すると、案の定、要らぬ箇所に氷がこびり付きて候。それを布巾にて丁寧に拭き取り、あとは自然回復を待つことにいたした。
説明書には、「冷蔵庫購入後、最初の氷は6~8時間で出来るが、夏場は24時間以上かかることあり」との由。されば、一日か二日待てばよかろうと構え、氷はスーパーにて調達することに決め、即刻、氷一袋を購入仕り候。
さて、丸一日が経ち、本日の昼近く、冷蔵庫よりあの“ガラガラ”という懐かしき音が聞こえ候。うむ、製氷、復活せり!
水タンクの水は減り、貯氷箱には新たな氷ができており、まず間違いなく動作復旧と見てよかろう。拙者の推理、おそらく的を射ておったと、内心ほくそ笑んだ次第。
今日も暑し。されど、氷の復活にて心の涼しさひとしおなり。
2025年7月20日ーこのページー2025年7月22日