若い頃は胃が痛むということがしばしばあって、自分は胃が弱いのだと思っておった。父上も胃薬をしょっちゅう飲んでおったので、遺伝であろうと思っておった。また、映画の「釣りバカ日誌」に出てくる「佐々木課長」がよく胃薬を飲むように、仕事で気疲れしている者が胃を病むのは普通だという思い込みもあったようだ。ともかく、胃薬は欠かせぬものでござった。買い置きを切らしたことがない。
ところが、近年は胃薬を飲んでおらぬ。薬箱にも胃薬は入っておらぬ。おそらく酒を断ったせいであろうと思う。酒をやめたのは六十代に入ってからじゃが、五十代の半ばから控えるようにいたしていた。その頃から胃薬が不要になったのじゃ。胃薬を飲みながら酒を飲んでおったのじゃから、ずいぶん、不経済なことをしておったものだと苦笑いしておる。
明日から寒波が来るという予報が出ておる。ここまでは、この季節にしては暖かい日が続いたので、そろそろ本格的な冬になるのはやむを得ぬのだが、雪は少なめにしてほしいのぉ。
