此度、青森は七戸の地に本拠を構える「お菓子のみやきん」という和菓子舗が、ついに業を畳むこととなった。近頃、いくつかの店を閉めていると風の噂に聞き、ひょっとすればと思っていたが、誠に残念なことである。
七戸を通る折には、道の駅にて駒饅頭やカリント饅頭を買い求めるのを楽しみとしていたゆえ、なおさら口惜しゅう存じ申す。聞けば、文久元年(1861年)より暖簾を掲げてきたという。おおよそ百六十年余りの歴史を誇る老舗であった。しかし、近年は設備への大きな投資をなした直後に、あの疫病の大流行に見舞われたとのこと――まこと、世の儚さ、恐ろしきは先の見えぬ運命である。
