欠勤したまま会社を辞めてしまいたい

労働問題

とにかくすぐに辞めたい!

後輩(若い会社員): 先輩、もう会社に行くのが本当に辛くて…。正直、もう一日も会社に行きたくないんです。このまま無断欠勤して、そのまま辞めてしまいたいって思ってしまうんですが、やっぱりダメですよね?

先輩(大学時代の先輩): 会社に行くのが嫌になる時ってあるよな。でも、結論から言うと、無断欠勤のまま辞めるのは絶対に避けた方がいい。 色々とデメリットがあるし、後々困ることになる可能性が高いからな。

後輩: やっぱりそうですよね…。でも、会社の人と話すのも顔を見るのも嫌で、退職したいって言い出すのも気が重くて…。

先輩: うん、その気持ちもわかる。でもな、会社で働くってことは、会社との間に「雇用契約」が結ばれているってことなんだ。契約だから、君の方からきちんと申し出なければ解除することはできないんだよ。

後輩: じゃあ、僕が「辞めます」って言わないと、会社は僕が辞めたことにならないんですか?

先輩: そうなんだ。君が退職の意思表示をしないと、会社としては君が辞めたのかどうかが分からない。だから、連絡が取れなくなったら、会社は君に連絡を取ろうとするしかないんだ。君がそっとしておいてほしいと思っても、会社としては君がどうなっているかを確認する義務もあるからな。

無断欠勤のまま辞めることのデメリット

後輩: 無断欠勤のまま辞めるのって、具体的にどんな問題がありますか?

先輩: いくつか大きなデメリットがあるぞ。

解雇されるリスクがある

先輩: まず、会社から「解雇」される可能性があるということだ。君から退職の意思表示がない場合、会社側には一方的に雇用契約を解除する「解雇」という手段があるんだ。ほとんどの会社の就業規則には「無断欠勤が〇日続けば解雇する」といった規定がある。その日数が過ぎれば、会社は君を解雇する理由ができてしまう。

後輩: 解雇されると、やっぱり印象が悪いですかね…?

先輩: そうだな。「自己都合退職」と「解雇」では、世間一般の印象も違うし、転職活動の時に不利になる可能性もゼロじゃない。だから、できるだけ解雇されるのは避けた方がいい。

経済的な負担や手続き上の問題

先輩: あとは、経済的なことや今後の手続きに影響が出る点だな。

  • 社会保険料の支払い義務が続く: 君が会社に在籍したまま連絡を取らなくなると、本人は辞めたつもりでも、会社は君を従業員として扱っている状態になる。そうなると、健康保険や厚生年金などの社会保険料の支払い義務が君に発生し続けてしまうんだ。会社が手続きをしないと、退職したことにならないから、知らない間に君の負担が増えていくことになる。
  • 貸与品の返却義務: 会社から貸与されている携帯電話とか制服とか、会社の備品を返却しないままだと、会社に損害を与えたと見なされて、損害賠償を求められる可能性も出てくる。
  • 失業保険の受給が遅れる: 失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取るには、会社から「離職票」という書類をもらってハローワークに提出する必要がある。無断欠勤のまま辞めてしまうと、この離職票の発行が遅れたり、発行してもらえなかったりして、失業給付の支給が大幅に遅れてしまうことがあるんだ。最悪の場合、もらえなくなる可能性もある。
  • 新しい会社での手続きに支障: 次の会社が決まって入社手続きをする時にも、前の会社との雇用関係が残ったままだと、健康保険や厚生年金の手続きがスムーズにできなくなることがある。

後輩: うわぁ、そんなにたくさんデメリットがあるんですね…。


「もう行きたくない」時の対処法

後輩: でも、やっぱり会社には行きたくないです…。どうしたらいいんでしょうか?

先輩: 君の様子だと、直接「辞めます」と伝えるのは難しいかもしれないな。そういう時は、いくつかの方法があるぞ。

退職届を郵送する

先輩: 一番確実で、比較的簡単なのが「退職届」を会社に郵送することだ。

後輩: 郵送だと失礼になりませんか?

先輩: 全然そんなことないぞ。会社からすれば、君がどうなっているのか分からないのが一番困るんだ。だから、退職届が送られてくれば、会社は「退職の意思表示があった」と認識して、手続きを進めやすくなる。会社にとってもありがたいことなんだよ。

後輩: なるほど! 郵送する時に何か書いた方がいいことはありますか?

先輩: そうだな、退職届と一緒に送る手紙とかに「今後の連絡は郵便でお願いします」と一言添えておくといい。そうすれば、会社も君に電話したりせず、必要な手続き書類などを郵送してくれるようになるから、君が出社しなくても手続きを進められるようになるはずだ。

退職代行サービスも検討する

先輩: あとは、「退職代行サービス」っていうのもあるのは知ってるか?

後輩: 聞いたことはありますけど…。

先輩: そういうサービスは、君の代わりに会社に退職の意思を伝えてくれたり、会社とのやり取りを代行してくれたりするんだ。料金はかかるけど、「もう会社の人と一切関わりたくない」っていう場合は、一つの選択肢として検討してみてもいいかもしれないな。

後輩: なるほど! いろいろ聞いて少し気が楽になりました。ありがとうございます!

先輩: 辞めるのは大きな決断だけど、君自身の心と体を守るのが最優先だからな。困ったら、いつでもまた相談してくれ。


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