2025年6月1日 日曜日

日記

このたびは、密林なる大店が手掛ける「あまぷら」にて異国の連続絵草紙を観申した。名をば「かりいとす・ちちゅうかいのはんざいじてん」と申す由。作り手は伊太利亜(イタリア)なる地の者どもにて、話の舞台は希臘(ギリシア)の都、あてねとやらにてござる。

主人公は、こすたす・かりいとすと申す、殺しの下手人を探るお役目にある者で、その一党を束ねておる。物語の背後には、異国から流れ込む民草のこと、不法に留まる者の問題、また金持ちと貧しき者との隔たりなど、現代の世相が色濃く描かれておる。

ことに印象深きは、かりいとすの父が、かつては軍の力で民を押さえつけておった暗き時代の役人であったこと。子は父の影を引き継ぎながらも、己の正義を貫こうと苦心しておる。

されど、かりいとすには恵まれた家族がある。妻は内助の功をつくす賢婦人、娘は聡明にして気立てもよく、その恋人も実に好青年にて、見ていて心温まる思いにござった。

「なるほど、あてねとはこのような街か」とか、「御番所にはもう少し人数がいたほうが、臨場感が出るではないか」などと、あれこれ思いを巡らせながら、まことに愉快に観申した。なかなか見応えのある一作にござる。

本日は少々肌寒く、朝には火鉢を焚きつけてしまった。ここ数日、狭き庭に生い茂る草どもと格闘しておるが、これがまた侮れぬ。小さき戦とはいえ、なかなか骨の折れる働きにござるな。


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